たべもののある風景

本の中で食事するひとびとのメモ帳2代目

皇居のラーメン作戦『消えたお妃候補たちはいま』

この日、天皇・皇太子の毎日の食事を作る管理部大膳課の職員に、別の内舎人(うどねり)は、「昼はラーメンでいいですよ」と伝えていた。ラーメンは皇太子の好物である。大膳課職員は、「ああまたラーメンか」と思いつつ、昼食の準備にとりかかった。ラーメンが出来上がる頃、内舎人が厨房までやってきて、「今日は(1階の食堂ではなく)2階の部屋で召しあがるとおっしゃっているので」と2階に運んでいった。大膳課職員は皇太子は2階でラーメンを食べているのだろうと思い込んでいた。内舎人は、自分でラーメンを食べ、カラになったどんぶりを下げたりしたという。

小田桐誠著『消えたお妃候補たちはいま』より

 1992年10月、「ポロポーズの場」となる新浜鴨場へ当時の皇太子が覆面ワゴンで密かに出かけていったあと、皇居内で繰り広げられた偽装工作の記述である。

「自分でラーメンを食べ、カラになったどんぶりを下げたりした」うどねりさんの姿を想像すると泣ける。それとも皇太子のために用意されたラーメンが食べられて役得だったかな?

天皇がカレー、おでん、ラーメン好きというのはよくお聞きするけど、大膳課で作られるのは一体どんなラーメンなんだろう~!!カレーも、おでんも!!
学習院では学食のカレーも召し上がっていた由、外のお味をご存じなかったわけではないから、世間とかけ離れたものじゃないだろうけど、かといってサッポロ一番とかじゃないよね。
私はサッポロ一番しお味にキャベツかもやし、卵を入れたのがこの世の絶品だと常々思っています。