Entries from 2015-01-01 to 1 year
京都教会牧師夫人、坂直子さんのメモワール。彼女は3年前に召天されている。縁あって本書を手に取った。教えとして印象に残ったのはヨンス牧師の口癖、「クリスチャンは日曜と水曜に教会に行くもの」。確かに日曜の礼拝を守るだけでは、霊の乾きが出てくる。…
「北燈亭」は、大正五年の創業という街でいちばんの老舗だ。昔繊維景気でこの街が沸いた頃は、芸者も入り窓から三味線の音が絶えなかったという。現在は高級割烹料理店として蟹が有名である。地元の者に言わせると、「テレビのグルメ旅番組に出るようになっ…
カレッジの日本映画講義で取り上げられたので、仕方なくKindleで買って読む。この手の映画化前提みたいなクラスタの作品を読むのは時間のムダである。 一点、物語とはそれつつ挿入されいているオッサンのモノローグが、昔、飲み会でクライアントから聞かされ…
「帰ったら、みんなでケーキ食べましょうね」と丸いメガネをかけたやさしい横顔で陽子ちゃんは笑った。「あ、私ね、つぐみに取られるより前にどうしても、どうしてもアップルパイを自分のものにしたい。あいつ、アップルパイが好きだから」情ないが、その時…
松本清張ばりに面白いユニークなサスペンス。発表当時はメリー・ウェストマコットという別のペンネームで出されたほど、誰も殺されず、誰も探偵のマネゴトをしない。で けれども日常にひそむ秘密、真実が、時には一番コワーイのである。人生に満足しきってい…
朝阪神ビルの下でコーヒーを、昼ナンバの中華料理やでワンタンとブタマンと、すべてこの世の名残と言った気持で味わった。 昼食にまぐろのさしみ、きゅうりとかにの三杯酢。酒粕汁、父上午後入浴、ひるね。私は又食料の買物。 Rのたんじょう日。月足らずの律…
例の黒服の男が食前酒を運んできた。すぐ後ろから、作務衣のような服を着た若い男が前菜をテーブルに並べてくれた。「左から、タケノコと湯葉のポワレ、壬生菜と鮎の煮浸し、空豆とゴルゴンゾーラチーズとフォアグラのパテ、一番右が浅蜊のソテー、ガーリッ…
「村上さんのところ」をきっかけに、村上さんの紀行本を読み返しまくっている。この本については何の記憶もなかったのだが、キャシー・フリーマン優勝のシーンに感動。彼女自身の言葉もいい。 朝食を抜かしたので、売店で小型ピザとミネラル・ウォーターを買…
「俺の田舎の山うどのうまさ、懐かしいよなァ。東京のうどは味がしないよ」 と言い、何人かの男子メンバーが「そうだ、そうだ」と同調した。 実は「うど」は東京が大産地なのだが、やはり故郷の味とは違うのだろう。女子メンバーは全員が東京か近県の出身だ…
この本を読んで「かもめ食堂」を思い出し、今、そばで流している。 「かもめ食堂」は折々に見返したくなる不思議な作品。 ところで、村上作品を読んだのは久しぶりだったが、メタファーに富んでいることに驚く。質問サイトで彼の戦争や原発に対する意見を読…
ビバヒルのジェイソン・プリーストリーが昨年出したメモワールから。 Lunch was always raw almonds, millet, greens… which funnily enough seems quite trendy and acceptable now. But back in the age of processed foods? It was simply unheard of. Be…
起き抜けのコーヒーを飲みながらネット巡回、洗濯、簡単な朝食、簡単な掃除、という朝の基本手順を踏むと一日がうまくまわるようだ。 午前中に、秋に出る文庫の再校ゲラをチェックし、昼食にリゾットを作って食べた。 帰りにコンビニで冷やし中華とみりんを…
大山君はジャズが好きだったので、平安神宮の裏手、丸太町通りにある「ZAC-BARAN」というジャズ居酒屋にもよく行った。ここでは、日本酒の剣菱にライムジュースを加えて、氷を入れた「酒ライム」がおいしく、4人で1升瓶を2本くらい空けることもよくあった…