たべもののある風景

本の中で食事するひとびとのメモ帳2代目

Entries from 2020-10-01 to 1 month

どこにでもいる「24時間モーニング」党 Emily Giffin "Something Blue"

日米の朝ごはんメニュー(シリアル除く)は私も好きだし、何時でも食べたいと思う。特にダイナ―では絶対に朝食を注文する。「24時間モーニング」を提供するお店は名古屋に限らず、アメリカにもたくさんある。ここに出て来るIHOPもそのひとつ。 "Nothing you …

村上春樹『雨天炎天』トルコ編

一応の記念撮影が終わると、中尉が兵士の1人にチャイを持ってこいと命令する。ちょうど日本のお茶みたいな感じでチャイが出てくる。もう1人の兵士が椅子を持ってくる。どうも話が長くなりそうな雰囲気である。(中略)でも国境警備隊でお茶を飲ませてもらう…

村上春樹『雨天炎天』ギリシャ・アトス島編

『やがて哀しき外国語』『遠い太鼓』を中心にムラカミの紀行文は好きで何度も読み返しているのだが(時々小説以上に女性差別視点がのぞくのだけは気になる)、もう30年以上前に出た本書は初めて。ギリシャ語の勉強を始めたのを機に。「やれやれ」づくしだっ…

Comfort foodとしてのシリアル Emily Giffin "Something Borrowed"

かつて、日本でも洋書の登竜門として大人気だった作品。やはり、まず1冊読み通そうと思ったら、英語の難易度にかかわらずページをめくる手が止まらない本を選ぶのがいいね。 I chug a big glass of water, take two Advil, and contemplate ordering fried e…

戦時中の贅沢 小林照子著『これはしない、あれはする』

戦時中、集団疎開を前にはからずもみんなでかわいがっていた学校のアヒルを食べさせられた、という話も出てくるが、チキンな私は引用できない。 WFPがノーベル平和賞を受賞し、その食糧供給量よりも日本のフードロスのほうが多い、という事実が話題になって…

脂がのっていない『かもめ食堂』

映画『かもめ食堂』はふとしたときに見返したくなることがあって、配信アクセスを購入している。日本では、家具屋のモデルルームで流しっぱなしにされているのを見かけて、借りなおしたりしたものだ。(いまだにレンタルDVDが生きている日本は特殊だよね) …

さらに脂がのる会食シーン 林真理子著『最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室』

村上開新堂のクッキーと同じく、私には、Opus One(300ドルくらい。庶民に手の届くレベルの贅沢)とトレジョワイン(3ドル)との違いも全然分からない。どっちも同じくらいカリフォルニアーンだと思う。 ギャルソンが椅子を並べ始めたカフェを見つけ、2人は…