たべもののある風景

本の中で食事するひとびとのメモ帳2代目

Entries from 2020-05-01 to 1 month

10年ぶりの即席ポテトグラタン 林真理子著『ウェイティング・ルーム』

ポテトグラタンについては昔の食堂にも掲載した(だから、覚えていたのだろう)林真理子の『怪談』改題『ウェイティング・ルーム』。最近、彼女の短編集がぼつぼつ新装版でタイトルを変えて発売されている。駅の書店で手に取りやすいのよね。私も分かっててK…

素敵な森ミールと屋台の焼きそば『英子の森』

ファーマーズマーケットなどに並ぶフードトラック好き。結構割高だが。最近だと、アムステルダムの屋台で食べたフライドポテトとコロッケドッグの芋尽くしが最高だった。 「アボカドのポテトサラダ用意してきたのよ。どこかのお店でサラダとしてできたのをア…

日本の富裕層の食事 母のカレーから白子まで『愉楽にて』

本書の京都パートを読んで、茶道がちょっとイヤになった。金かけてなんぼなのは分かってるし、こういう人たちがいないと文化が守られないのも確かなのだが。 2人の前にはやがて、細く切った野菜と海鮮の皿が出てくる。高く盛られたこれは魚生(ユーシェン)…

ソバ粉のコロッケ、新大久保やみちの駅 林真理子『綺麗な生活』

そこにそら豆のリゾットが運ばれてきた。薄茶色の中に、ところどころ緑が顔をのぞかせているのが、いかにもおいしそうだ。「やぁ、これってお袋の得意料理だ」「へぇー、お母さまの。すごいじゃない。うちでこんな凝ったものをつくるなんて」「親父がイタリ…