たべもののある風景

本の中で食事するひとびとのメモ帳2代目

Entries from 2021-11-01 to 1 month

林真理子著『李王家の縁談』

これ小説け? 情報の羅列にすぎなかったよ。大慌ての抜き書き帳みたい。 母が帰ってから、伊都子は女中に命じて熱い紅茶を持ってこさせた。ふと2人とも手をつけなかった苺を口にふくむ。そしてそれが久邇宮家からの届け物だということを思いだした。この屋敷…

津村記久子著『ポトスライムの舟』

仕事をがんばる気力がわく小説と聞き、電子書籍版がないなかやっと手に入れて感謝祭に楽しみにとっておいて読んだのだが、期待値を上げ過ぎた。 寺社町の火曜の夜のカフェは暇で、ヨシカは明日の早朝に出す分のスコーンを成形して、冷蔵庫にしまった後は、ず…

ヤマザキマリ『望遠ニッポン見聞録』

「何気に」という言葉が頻出するのが何気に気になったのだが、もう地の文の書き言葉としても使ってオケ?私は1996年に「この言葉はよく聞くようになったなあ」と意識して初めて自分で口に出したのを覚えている。 子供が生まれた時、私の家へ掃除の手伝いに来…

犬養道子『セーヌ左岸で』

10年以上ぶりに再読。内容が古い部分も多々あり、電子版も出なさそうなので捨てられない1冊である。 クレープやタルトに説明が必要だった70年代。表記のゆれに鷹揚なのがすごくいい。artという語を日本語一語では表せないことを示していて共感する。(「芸術…

林真理子『秋の森の奇跡』

この小説で「気ぶっせい」という言葉を学んだ。転んでもただでは起きぬ。 裕子が店長を務める輸入家具店の近くに、新しく紅茶専門店が出来た。試しに買ってみたブレックファーストブレンドに熱湯を注いだばかりだ。夫の康彦も、10歳になる七実も紅茶よりもコ…

山本文緒『恋愛中毒』アイスクリーム食べない?

山本文緒さんの物語がもう読めなくなって悲しい。日記エッセイを読むと、「少しおタバコを減らされたほうが精神的な負荷も軽くなるのでは...」と余計なことをつぶやいたものでしたが。真摯な作品をたくさんありがとうございました。 もう彼女は生姜焼き定食…