たべもののある風景

本の中で食事するひとびとのメモ帳2代目

お店のおにぎり 石田ゆり子『旅と小鳥と金木犀』

「嬢」呼びにかなりの抵抗あり。気持ち悪いと言ってもいい。

「ゆりこさんっ! おみやげです!!」
と、おいしそうなチーズを持ってきてくれた尾崎嬢。
「わたしと、管野からですっ!! く、栗の葉で包まれた、チーズ、ですっ!!」
(中略)
おいしいプリンを持ってきてくれた櫻井嬢は、きゃぴきゃぴの幻冬舎軍団に押されぎみ。
(中略)
そう。今日は、私は、いわば、学食のおばちゃん。
ナメコのお味噌汁を、出汁から作る。あとはコールスロー。キャベツ、人参、セロリ、たまねぎ......をひたすら刻み、オリーブオイルと米酢であえる。おいしい塩と粗挽き黒胡椒。ホントはもっとちゃんとした料理を作ろうと、材料だけは買い込んであった。でもいつも、こういう準備に間に合わない、私なのである。
夕方、慌てて買いに行ったおにぎりもある。
代官山のおいしい、お米屋さんのおにぎり。「ベリー・グッドマン」という、老舗である。ここの、スーパーナス味噌、スーパーエビ天、イカキムチ......に目がない私。7人分、1人5個はいくであろうと考え、35個。予備に、5個追加して、40個、買い求めた。1人5個は多いとお思いでしょうが、少なくとも4個はいける。あまったらお土産として持って帰ってもらおう!
(中略)
楽しく食事をし、お話もし、みんな笑顔で帰っていった。
楽しかった。またやろう。こうやって、いろんな気をぐるぐる回そう。

石田ゆり子著『旅と小鳥と金木犀―天然日和〈2〉』より

米店のおにぎり、ほんとに美味しいんだよなー。
精肉店のコロッケが美味しいのと同じ。
「ジャパンフェア」的なイベントで米国まで出張してきてくれるお店には、長蛇の列ができる。
まだそういう貿易イベントは当分戻らないだろうけど。