たべもののある風景

本の中で食事するひとびとのメモ帳2代目

富士日記(3)ミートパイと鱒ずし

本書にはいわゆる「差別語侮蔑語あるけど時代に鑑みて悪気ないし著者故人だしママでいくよ〜」の断り書きがついているのだが、ときどき本当にひどい人権無視発言がある。特に武田氏はセクシスト。

ぶどう酒で祝杯。雑煮(とり、ぎんなん、紅白のかまぼこ、みつば)1人3つずつ餅をいれ、2膳ずつ食べる。

黒豆、お多福豆、こぶまき、栗きんとん、だてまき、かまぼこ、ごまめいり。

ポコはまだびっこをひいている。

昼食 さば、御飯、大根おろし(主人)、パン、はちみつ、ソーセージ残り、スープ(百合子、花)。

夕食 ごはん、トンカツ、大根の味噌汁。

夜はまったく晴れて、星がぽたぽた垂れてきそうだ。

きょうはとても楽しかった。夜食はスパゲッティミートボールとパン。

朝食 雑煮。

昼食 ごはん、ぶりの粕漬など。

 

朝食 ふかし御飯、ちくわ、さつまあげ、味噌汁。

昼食 御飯、粕漬ぶり。

夜食 御飯、まぐろ油漬、大根おろし、佃煮。花子は、またも、ぶりの粕漬。

ポコの足、依然としてわるし。キンカンを塗るのをやめてみる。

 

朝 ビーフシチュー、パン、紅茶。

昼 ライスカレー、福神漬。

夜 たらこ、鮭罐、大根おろし、スープ、ごはん。

 

朝 駅弁を食べる。

昼 ラーメン。

夜 御飯、かきたま汁、豚肉つけ焼、キャベツとじゃがいも炒め。

 

夜 長崎タンメン、京菜塩づけ。

夜ごはんは、パンとハンバーグときざみきゅうり、キャベツ、シューマイ5つ(これは父)。

昼はラーメン1つ半ずつ(父と私)、五目ずし(母)。

 

朝食 父、ポークチャップ、ゆで卵2つ、あじの干物、ごはん1杯、味噌汁。

母、味噌汁、ごはん2杯、しらす、うぐいすもち2個。

花、味噌汁(中に卵)、ごはん2杯、しらす。

ポコ、シューマイ2つ、ポークチャップ2切れ、いも1つ。

靴がぬれてしまったので、石油ストーブでかわかす。―花記す―

筑摩の文学全集の一部、鯛浜やき、野菜、パン、牛肉の煮たのなど持ってくる。

 

昼 タンメン、上に野菜いため、たくさんのせる。

納戸の棚2つ吊って整理をする。

私は3時ごろよりひるね。夜ごはんも知らないで、次の朝まで眠り続ける。

 

朝 豆腐とわかめの味噌汁、ごはん、さわら西京漬など。

(中略)

昼 パンと紅茶。

夜 おかゆ、鯛でんぶ、卵と野菜いため。

 

竹内さんの支度ができるまで、あがって食堂でコーヒーを飲む。竹内さんを山小屋へ連れてゆくことを、昨日急に言いだし、竹内さんが承知してくれたので、主人は得意そうにはしゃいで、コーヒーを飲んでいた。

車の中で食べられるように、ミートパイと鱒ずし、魔法水筒に紅茶を入れて用意してきたが、照子さん[竹内好夫人]は、自家製サンドイッチとサラミを切ったものを、いちいち皆に見せながら説明して、持ってゆくように箱にいれて包んでくれた。

武田百合子著『富士日記』より