たべもののある風景

本の中で食事するひとびとのメモ帳2代目

ジェーン・スー『ひとまず上出来』のラストミール

炭水化物の重ね食いはやめられないよなー。こないだ日本に帰ったとき、三番街でカレーうどんに御飯つけようとしたら母に「うどんも大盛にしたのにやめなさい!」と本気で怒られたのだが、自分の定食にもミニちらしがついていたという...。

ただ、アメリカに来て午後の睡魔ととんと無縁になったので、すべては昼の炭水化物が原因だったのだと思っている。うどん+御飯のダメ人間製造コンボは、ポテトフライ+バンズなんかとは比べものにならないのよ。

本質的にはどうでもいいけれど、聞けばそこそこ盛り上がる「地球滅亡の前夜になにを食べたい?」という問い。私は長いこと「バイキング」と答えていました。
(中略)
しかも、翌日には地球が滅亡すると決まっているので、「羹に凝りて膾を吹く」ことすらできない。(中略)だったら、鯵は多少落ちても、できるだけいろいろな料理を口に運び「さようならカツ丼」「ありがとうカレー」と涙ぐみながら人生を終わらせたい。
(中略)
大人ならではのラストミール、たとえば鶏と卵とネギの温かいお蕎麦などいかがでしょう。柚子の皮なんか載せちゃって、感謝の走馬灯をぐるぐる回しながら、しんみり蕎麦をたぐる。すぐにお腹が空きそうだから、加薬ごはんのおにぎりでもつけようかしら。加薬ご飯は油揚げが細切りになって入っているのが好きです。

ジェーン・スー著『ひとまず上出来』より