たべもののある風景

本の中で食事するひとびとのメモ帳2代目

63個のミートボールの縁 Jason Priestley: A Memoir

ビバヒルのジェイソン・プリーストリーが昨年出したメモワールから。

後半2つのエピソードはなかなか印象深かった。

彼はカーレースの事故で生死をさまようのだが、家に戻ってしばらくの間、毎日昼いっぱいかけて料理に挑戦し続けたのは良いリハビリだったと。

また、配偶者のNaomiさんと63個もガーリック・ミートボールを作ってしまい、隣人を招いて5時間ディナーを決行した楽しい思い出。(隣人オチもいい)

この本は、彼の善人ぶり全開でなかなかよかった。

感想文はこちら。 

Lunch was always raw almonds, millet, greens… which funnily enough seems quite trendy and acceptable now. But back in the age of processed foods? It was simply unheard of.

Being big foodies, Naomi and I both were quite picky about the reception menu, and it more than exceeded our expectations. A huge pile of stone crab claws, literally four feet high, and every kind of seafood pulled directly out the nearby Caribbean waters were exquisite. The amount of food was overwhelming and every bite of it delicious.

When I came home, I would leaf through one of the many cookbooks in the house and settle on one of the most complicated, involved recipes I could find. I only chose dishes that before the accident I simply had not had the time to tackle. I was free to spend all day preparing coq au vin or cassoulet. My entire challenge for every afternoon was to make dinner. Trust me: at the time, creating these dinners was always a four- or five-hour ordeal.

I mixed and measured, sliced, chopped, and pureed. The math involved in measuring ingredients or adapting recipes gave my brain a good workout. Cooking is all about timing and multitasking. It was not easy, and there were some major mishaps along the way, but my reward was usually a delicious dinner. Meal preparation became a huge part of my rehabilitation and something that carried on well after my recovery. To this very day, when I'm home, I'm the cook.

I was spending all my afternoon in our big old kitchen with the original 1928 cabinetry - though it had a modern range and refrigerator. It was such a fantastic room, the best place in the house. Naomi and I both loved coking or just hanging out in there.
One day we made roasted garlic meatballs, a phenomenal recipe but ridiculously complicated and time-consuming. Somehow, we didn't realize that we would wind up with thirty-six meatballs. We were faced with this ridiculously huge mound of meatballs. "Crap, honey, what are we going to do with all this freaking food?" I asked her.
"I know!" Naomi said. "I'll run over and ask the neighbors if they'd like to have dinner with us." Jack and Dennis were partners, in work in life; we'd spoken briefly to them out on the street the day we moved in. I thought inviting them was a great idea so we both put on our shoes, went down the fifty-two steps, and crossed the street to knock on our neighbors' door.
"Hi, guys! We made way too much food. Can you come over and help us eat it?" Our neighbors accepted and showed up a few minutes later. I headed to the wine cellar and started pulling corks, and dinner with our new friends began. It turned into an unbelievable five-hour-long feast, and they literally rolled themselves home. (It wasn't until years later that they told us they had already eaten a big meal that night, but wanted to connect, so they came over for dinner anyway and stuffed down some meatballs.)
After that we saw them frequently - generally starting around happy hour. I'd get a cheese plate and pâté
 going, and they would drop by after work.

Jason Priestley, Jason Priestley: A Memoir

食べられさえすれば 山本文緒『再婚生活 私のうつ闘病日記』

小さな佳品集『絶対泣かない』で鮮烈なシーンを焼き付けられて以来、山本氏の作品はほとんど読んでいる。

彼女が闘病生活を送っていたことは何かで読んだことがあった。

寛解を迎えたときの記述が、『絶対泣かない』の読後感に似て映像のようだった。

本書で教えられたことは、保険買うより貯金せよ、ということと、「つまり自立とは、自分さえ良ければいいというわけでなく、弱った人を助けることができることだと知ったからです」。

上記の食べ物に関していえば、日本の総菜生活っていいよな、としみじみ。オリジン弁当のキムチ焼き肉弁当とかなつかしい。ベローチェでパスタ、も。

起き抜けのコーヒーを飲みながらネット巡回、洗濯、簡単な朝食、簡単な掃除、という朝の基本手順を踏むと一日がうまくまわるようだ。

午前中に、秋に出る文庫の再校ゲラをチェックし、昼食にリゾットを作って食べた

帰りにコンビニで冷やし中華とみりんを買った。肉じゃがを作ろうとしたら、みりんがなかったので。

昨日元気すぎたツケがきて、頭も体も動かない。

肉じゃがは味付けが薄すぎて、おいしくなかった。

躁鬱やパニック生涯や拒食・過食状態の女の人に共通していることを入院して知ったのだが、それは自分でご飯が作れなくなること。

今日の私は野菜入り簡単リゾットを作って食べたので、だいぶ元気なんだろうと判断し、他社の雑誌の仕事をしてみる。

ショックから立ち直れないまま、もう二分ほど歩いたところにある和食系ファミレスで虚ろなままうどんを食べ、放心のままメニューを眺めてみたが、デニーズの代わりになるにはあまりに力不足。ハンバーグもパスタもカレーもないファミレスなんて。朝定食もない二十四時間営業でもない家から遠いファミレスなんて。

夜、角川チームとの打ち合わせ&宴会があったけれど、頭の中は私を捨てていったデニーズのことでいっぱい。

新大久保の韓国料理屋でもそもそとチヂミを食べていたら、見覚えのある女の人が店の中を行ったり来たりしていた。きゅっと小さいけれど力強そうな感じのあの人はどう見ても大貫妙子さんだ。

まだ元気なうちにと、コンビニへ買い物に。普段ほとんど甘いものを食べない私だが、発熱中だけはアイスクリームが食べたくなるのでハーゲンダッツを四つ買う。ついでにジュース、野菜、サンドイッチ、フィール・ヤング購入。

午前中に札幌秘書のモモママから段ボール箱でジャガイモといくらがどっさり届く。お昼ご飯に早速いくら丼を作って食べた。

帰ろうとしたらものすごくおなかがすいて、でもいつものようにモスバーガーやラーメン屋に寄るわけにもいかない。世の中にはなんて食べてはいけないものばかり売っているのだろう。人恋しくなってしまって、用もないのに事務所に行き、マシマロに愚痴って少し泣いた。情緒が不安定。事務所そばのオリジン弁当で魚と野菜の煮物を買った。

そんなふうに気持ちの落ち着きどころを見つけたら、不思議と気持ちが上向きになって、最近面倒くさくて全然行っていなかったスーパーへ食材を買い出しに行く気になった。仕事も少しして、クリームシチューを作ってみた。

正しく朝八時に起きる。正しく洗濯し、焼き魚とサラダという正しい朝食を摂るも気分は滅入っている。

 

やっと帰宅した王子と車で出かけ、たまにはいいメシをとフォーシーズンズの中華へ行った。疲れたけれど、王子と久しぶりにゆっくりいろんなことが話せてよかった。

 

今朝は王子が朝の八時半に家にやってきたので、嫁らしく朝ご飯を作って二人で食べた。王子は食器を洗ってくれて、食後のコーヒーまで淹れてくれた。

 

午後に生協の配達があり、誰がこんなに注文したんだ(私だ)と憤りを感じるほどの食料品を受け取る。野菜が野菜室に収まりきらず、仕方なく白菜とキノコ類でキムチスープを作った。

 

二人して買い物ハイで、夕飯に焼き肉を食べにゆく。人間ドック以来お肉は久しぶりで、しみじみ美味しかった。焼き肉だけでやめておけばいいのに、ちょっとアルコールが入るといい気になる我々は、焼き肉屋の焼酎がおいしくなかったので、おいしい日本酒を飲んで帰ろうと、行きつけの地酒屋へ。

 

お礼に夕食でもと誘うと何故か両者に辞退され、じゃあお茶でもということになり近所のカフェへ。おなかが空いていたので私だけディナープレート(千円)というのを注文し、さくさく食べ終わった頃にウェイトレスがにこやかに「デザートです」とチョコバナナのクレープを置いていった。微笑みを絶やさないウェイトレスと対照的に、堂々とまるまって大振りのグラスにささっているクレープを、一同固まったまま凝視した。

「一応聞くけど、食べたい人いる?」と私。

「とんでもない」とマシマロとコトリン。

うちの事務所の女性は甘い物があまり好きではなく「わーい、クレープだあ」などという発言がありえるはずもない。残してもよかったのだが、こわいもの食べたさで食べてみました。チョコバナナのクレープ。いやもう甘い。そして非常に懐かしい。

というのは、私がクレープを食べたのはたぶん22年ぶりになるからであろう。

高校生のとき、つきあっていたボーイフレンドがクレープ屋でバイトをしていたため、その頃は義理でわりとよく食べた。でも大学生になってから、たぶん私は一口もクレープというものを食べていないんじゃないかな。

チョコバナナクレープはチョコとバナナと生クリームの味がした。当たり前。

 

せっかく午前中から外出したので、せめて何か用事でも済まそうと、新宿高島屋に入っているベスト電器にて仕事部屋の冷蔵庫とガス台購入。おなかが空いたので高島屋にてオムライスも食べた。

帰宅後、あちこちに愚痴電話をかけ、さっぱりしたので仕事をした。

 

いつまでたっても荷物が来ないので、買ってきたサンドイッチを食べたら睡魔に襲われ和室で気を失う。

夕方にやっと荷物が届き、雑貨屋で仕事部屋用の薬缶を買う。

帰ろうとしたら、特に何をしたわけでもないのに激しくだるくなり、家に帰ってご飯を作るのが面倒で、一人ラーメン屋に寄った。

冴えない気持ちでラーメンをすすりながら、そういえば最近あんまり「嬉しい気持ち」になることが少ないなあ、と思った。

前はほんのちょっとしたことでも、すごく嬉しいと思っていたのに。

たとえばお洒落でもなんでもない雑貨屋で、すごくかわいい薬缶が見つかったり、ラーメンにトッピングしたキムチがすごくおいしかったら、ご機嫌になったはずなのに。

感受性まで疲れているのか。

なにがそんなに私を疲れさせているんだろう。

 

先月分のこの日記を推敲してメールで送り、打ち上げ気分で一人鍋をする。

白菜にポン酢がしみしみ美味い。鍋って実は一人で食べたほうが味がわかっていい。

大勢でわいわい食べると、喋ることのほうに神経を使ってしまうので。

 

クラブから新しい仕事部屋までの道のりも、バスに乗らず歩き、仕事部屋にてコンビニで買ったちらし寿司を食べた。

 

今日は待ち時間がなかったので11時には病院を出られた。

とりあえずお昼を「ねぎし」という牛タンの店で食べる。

 

帰宅し、買ってきた『花とみつばち』完結編を読む。漫画はいいねえ、とご機嫌な気持ちで、きんぴらごぼうを作って食べた。

 

アスパラとソーセージ炒めとパンを朝食として食べ、洗濯。

明日ダスキンがくるので今日は掃除の日とする。

 

小雨の中、近所のドラッグストアーに日用品の買い出し。洋服がみたくなってコンビニで『Domani』購入。

帰宅して、焼き魚ときんぴらごぼうで昼食。

 

寒いのと早朝起きたせいでベッドが恋しくなり、一時間半ほど昼寝。

遅めの昼食にペペロンチーノを作る。

食後、一気に小倉さんの『結婚の条件』読了。

 

最近私も王子も40を超えて食が細くなってしまい、コースはとてもじゃないが全部食べられそうもないので、料理長に相談して、おいしいものを少しずつ出してもらうことに。

それでも最終的にはおなかいっぱいで二人とも苦しくなる。

若くていくらでも食べられたときはお金がなくて、少々お金が使えるようになると量が食べられないという人生の無常。

 

大腸検査の前日なので、今日は三食とも病院指定の検査食しか食べてはならない。

朝と昼がおかゆ、おやつにクッキー、夕飯はスープのみという悲しい一日。

おかゆはほとんど味がせず、何を食べてもあんまり不味いと思わない鈍感な舌を持つ私でも「これは不味い」と断定。

 

夜、自宅に戻って悲しい気持ちでコーンポタージュを大事に大事に飲んだ。

夜7時以降は水分以外のものを摂ってはいけないとのことなので、眠くなるまでヤケクソ気味にチャット。

見知らぬ人々に鬱憤をぶつけると、見知らぬ人々は優しく同情してくれた。

猫に缶詰をあけてやったら、それが異常においしそうにみえてクラクラする。

 

王子と病院を出て、目についたファストフードでサンドイッチを食べたら夢のようにおいしかった。

が、さすがにダメージがあったのか、その晩はおそばが一杯全部食べられなかった。

 

夜に出かけてもいいかも、と思えるくらい元気があったので、王子と待ち合わせて夕飯は四谷の牛タン屋へ。

おいしかったが狭い店でのカウンター席だったせいか、背中と腰が疲れた。

 

午後(間違いなく保守本流の負け犬)マシマロがエッセイ集のゲラを取りにきてくれたので、「あなたの必読書です」とその本を渡す。

ついでに魚久の粕漬けの残りとみかんも持たせた。

おなかが空いていたと思われるマシマロに「焼き肉屋行きましょうよう」と誘われ、近所にできたばかりのファミレス系焼き肉屋へ。

午後3時という半端な時間に、二人ともダブルカルビ定食完食。

入院寸前のうつ病患者としては、ダブルカルビ定食というのはいかがなものか。

それはあまりにも元気すぎる食事ではないか。

 

無難に取材をこなし、迎えに来てくれた新潮社・由花さんと小林さんとで、飯倉の焼き肉屋へ。

ファミレス焼き肉を食べたばかりだったので、肉のおいしさに唸り、ガンガン食べる。が、実は途中でちょっと胸が痛みはじめていた。

 

母ミッチーが焼き肉好きなので、またもや近所の焼き肉屋へ。そしてまたダブルカルビ定食。

私と父ミッチーは完食できなかったが、母ミッチーは私たちが残した分まで嬉しそうに食べていた。

 

お昼前にマシマロが変えると、急に心細くなる。昼食はスパゲティーミートソース。

正直言っておいしくはない。

でも、自分でご飯が作れなくなっている身には、何もしないで食事が出てくるだけでも有り難い。

 

8時朝食。パンとサラダとヨーグルト。

食べたら急に眠くなって、しばらくうとうとする。

ラジオ体操のアナウンスで飛び起き、中庭へ。

ラジオ体操は案外人気があって、寒いのに大勢の人が出席。体の病気ではないので、みんな少しは運動したいようだ。

 

本屋と洋服屋を見ていたら、突然無性に甘いものが食べたくなり、喫茶店に駆け込んでチーズケーキを貪り食べた。

普段甘いものはあんまり食べないのに、どうしたことだ?

そんなに病院のご飯が不味いのか?

夕飯直前に病院に戻り、今日はビールとケーキという、いけないものを摂取したので、夕飯はおかずをちょっとつまむだけにしておいた。

 

久しぶりの外食に心躍る。そこがファミレスであっても。

病院では出ないものを頼もうと悩んだ末のオーダーは、みぞれハンバーグとカキフライという案外平凡なもの。

けれど、久しく揚げ物を食べていなかった私はカキフライのおいしさを涙ぐんで噛みしめた。

 

広尾あたりで適当に車を停め、チェーン店の安い寿司屋へ。

病院の正しい食事を日夜食べている私には、安い寿司でも、ものすごいご馳走。

入院していなかったら「やっぱり安い寿司はこんなもんかね」なんて思ったに違いない。

病気は人を謙虚にするなり。寿司屋のあとに入った喫茶店で飲んだコーヒーすら「インスタントじゃない。ぬるくない」と感激する私。

 

そういえば、王子と私の結婚式の当日、王子のお母さんが突如いちご大福を作りはじめて時間に遅れそうになったことを思い出した。

(そのいちご大福は当日と翌日、小腹が空いたときに大変役に立ったのだった)。

 

夕方、かねてから行こうと言っていた、銀座にある牡蠣のお店に予約を入れてゆく。

王子はカキフライ派、私は生牡蠣派。

山のように牡蠣を食べられて、シャバの喜びに浸る。

 

夕方に王子が年越しそばを買って帰宅。とたんに機嫌が直って、早速二人で食べた。

紅白がはじまるまで、王子は年賀状作りの続き、私は編み物の続き。

 

夕方になり煙草対決の結果を集計すると、三本差で私の敗北。

負けた方が寿司を奢ることになっていたので、高円寺の安くておいしい『桃太郎すし』まで出かける。

熱燗を飲んだら少し元気が出たと思ったのに、寿司屋を出て喫茶店に入ったとたん、王子に「顔色がよくない」と言われ、コーヒーもそこそこに車で病院に送られる。

 

秘書マシマロも東京に戻ってきて、大量の年賀状を持ってきてくれた。

みたらし団子で二人、新年を祝う。

 

昨日もらったメロンを丸ごと持って帰ってきたので、一応王子に電話をしてみると、食べに来るとのこと。

王子とメロンを半分ずつ平らげる。

さすがお見舞い用マスクメロンは非常においしかった。

 

お昼前に王子が迎えに来てくれたので、自分のマフラーの次にベストを編もう(依存~)と毛糸屋に寄ってもらってから、たまにはいいメシをとパークハイアットのニューヨークグリルへ。

ここには数年前に仕事がらみで来たことがあったのだが、そのときは味が全然わからなかったのに、今回は夢のような美味しさにびっくりする。

プライベートでリラックスしているせいもあるにせよ、一ヶ月以上病院食の日々だったので、本当の「ご馳走」の意味を知る。

私は接待されるのがあまり得意じゃないにしても、やはり普段贅沢なもの食べ過ぎなんだな、だから太るんだな、ご馳走はたまにだからいいんだな、と普段断るデザートまで食べ、コーヒー2杯(ホテルのコーヒーがおいしいことも実感)飲みながら納得に至った。

 

チューリップとフリージアに加えて、彼のこだわりのお見舞い品は、自慢の釜で炊いたご飯のおにぎりと、自家製のお漬け物。

その上デザートが紀の善の抹茶ババロアみっつとあんみつふたつ。

嬉しいけれど、私を太らせようとしていないかとかすかに疑りつつ、お手製おにぎり二個をもりもり頂く(あとで聞いたら二個で一合だと聞いてショックを受ける。一合なんて私は三食に分けて食べるのに)。

休むと食べられなくなるとクスノセ氏にせかされ、お茶もそこそこに、こってり大きな抹茶ババロアも頂いた。

 

昨日食べきれなかった苺あんみつを、朝のおめざに食べたら、おなかいっぱいで朝食が全然入らなかった。

 

帰りに伊勢丹で小田原のかまぼこを探したがなかったので、とりあえず高級かまぼこ(1本約千円)を買ってみた。

おいしかったが、しょっちゅうこんな高いかまぼこを食べるわけにはいかない。

 

今日も夕飯に、王子が野菜スープを作ってくれた。

 

ローストビーフだの寿司だのサーモンのマリネだのをマシマロと額をくっつけあうようにして食べる。

食べ終えると足が疲れたので、あいてる椅子を見つけてコーヒーを飲み、改めて会場を眺めた。

 

夕飯の代わりに、もやしを茹でてノンオイルドレッシングで食べる。

引き続き仕事。

 

お昼にマシマロと近所の銀行で待ち合わせをし、銀行の用事を済ませてからモスバーガーへ。

あいかわらず、私達はなにかというとモスバーガー。

今日は二人とも海老カツバーガー。

いつもなら店を移してコーヒーにつきあってくれるマシマロだが、仕事中ということで家に追い返された。

 

王子のいない朝。今日も雨。

王子が作っておいてくれた野菜スープを食べる。

仕事をするも集中力が続かず、なんだかダルい。

昼はコンビニ弁当。

 

夕方帰ってきた王子が、おでんを作ってくれた。

それがマジおいしいほど肌寒い。

 

夜、王子が三越の地下で鰻重(普段、絶対食べてはいけない高カロリー食)を買ってきてくれ、すごく嬉しかったのに半分くらいしか食べられなかった。

 

朝からまったく食欲なし。王子作のお弁当もちょっとしか食べられなかった。

本当は今日原稿を入稿して(先月号の分)さっぱりする予定だったのに、座っているだけでつらい。

フルーツゼリーだけがやたらとおいしく感じた。

 

なんかイライラして、突如猛烈な食欲に襲われる。つい昨日までろくに食べ物を受け付けてなかったこともすっかり忘れ、油っぽいものを脳が要求。出前のちらし各種を床にまき散らし、悩むこと3分。

大抵出前は寿司と決めている私ですが、今日はがっつりピザといきましょう!

いつから食べてないのか分からないピザがデリバリーでやってきました。

う、うまい!ピザ最高!

エネルギー補充って感じ!

イライラもウツウツもさようなら!

 

今朝ものすごい腹痛で目が覚める。昨夜ピザをとって食べたこと(しかも全部)と、お腹を壊している私のためにわざわざ作っておいてくれたロールキャベツを食べなかったことを王子に叱られる。

 

夜、王子と近所のタイ料理屋へ。食欲なくトムヤンクンをすする。

 

どうして池袋にしたかというと、うちから近い、トップスのカレーが食べたかった、池袋のデパートで洋服を見たかったという、私のエゴが働いたので。

 

銀座で角川チームとランチ。

オーガニックレストラン。

ダイエット中なので、体に良さそうなものを食べたいとこちらの方からリクエストしたのに、味がイマイチだった(ごめんなさいごめんなさい)。

メニューを見ると美味しそうなものがいっぱい書いてあるので期待が大きかったのと、そういうちゃんとした素材や味付けに口が慣れていないからそう感じたのかもしれない。

しかし、マグロの中落ち丼には醤油をかけたかった(ごまペーストがかかっていた)。お店の人に言えば醤油くらい出してもらえたと思うけれど、断られたら恥ずかしいし、みんなの手前もあって何となく言えず。

 

「えっと、じゃあ、こういう私のような(肥満、冷え性、代謝悪し、骨も内臓も問題あり)体の人間が、治療を受けずに自力で直す方法はありますか」と尋ねたところ「肉をやめることですね」とあっさり言われた。

肉は体を冷やしがちだしコレステロールも高い。特に体温の高い動物(牛、鳥)なんかはいけないそうだ。あとは適度な運動。

「私には無理そうです」

「とりあえず3週間だけでもやめてみれば。体の変化が分かって面白いよ」

先生曰く、何か新しい習慣をはじめるときは、とりあえず21日間やってみる、というのが心理学的にも有効だということ。

 

マシマロがお使いにきてくれて、夕飯に蕎麦を食べた。蕎麦屋で酒も飲まずに約2時間盛り上がって喋った。すっかり逃避。

 

それでも新千歳から札幌に着いたら疲れていて、駅前の大丸の地下でパンとサラダを買って仕事部屋へ。冷蔵庫が見事にからっぽで、へろへろになりつつコンビニまで水やお茶を買いに行く。

 

そういえば肉断ちは順調にいっていたのに、今日うっかりレトルトのタイカリーを食べてしまい、その中に入っていた鶏肉をすっかり肉だと認識しないまま口に入れてしまった。旭川ラーメンを食べたときも、忘れてチャーシュー食べたっけ。

うに丼を食べなかったことが悔やまれる。

 

王子が羽田まで迎えに来てくれる。東京は暑いかと思ったら札幌と同じくらい涼しかった。デニーズにて、ラマダン明け(?)ということで豚しゃぶ定食を食べた。

 

夜、少し胃がマシになって卵抜きのホットケーキを焼いて食べた。

王子がいないと夜更かししてしまう。結局寝たのは深夜2時頃。

 

最後まで原稿を書き上げたご褒美に、王子が鶏の唐揚げを買ってきてくれた。久しぶりでめちゃくちゃ嬉しい。おいしいものはなんで体に悪いのだ?

 

ダイエットのためパン食とパスタをほぼやめて、お米を食べる習慣は最近ついだものだし(パンやパスタはカロリーのわりに腹持ちしない)お酒もやめることができた。

 

今日は王子が会社の健康診断のため朝食が食べられないというので、朝散歩のついでにベローチェで一人朝ご飯。

どこのコーヒースタンドも大抵7時からで、開店と同時に入り、窓の外を見ながらサンドイッチを食べた。

 

夕方王子のお母さんのお家へ行く。ご飯とおかずを沢山作って待っていてくれた。

ヒロコさん(お母さんの名前)の作ってくれるお料理はとってもヘルシーで美味しい。野菜は庭で作ったものばかりなので、もちろん無農薬。

食べてばかりでまったく片づけもしない私は嫁としていかがなものか。しかも以前おかずを分けてもらったときに借りたタッパーを空で返す始末。でも「いいの、いいの」と言われたので真に受けることにする。

もらって帰ったトウモロコシが激うま。

酢の物も野菜の煮物も激うま。

毎週行きたい、ヒロコさんの家。

 

王子が夕飯にちゃんこ風鍋を作ってくれ、梨も剝いてくれた。

 

本格的に風邪で寝込む。

マシマロが電話してくれたので、甘えて食料品を買ってきてもらった。アイスクリームを頼んだらハーゲンダッツを2個買ってきてくれた。王子に見つかって取り上げられるといけないので、その日のうちにふたつとも食べた。

 

小腹がすいたのでパパスカフェに入る。ロールケーキとコーヒーを頼み、おいしくて幸せをかみしめる。気功の先生にコーヒーは体を冷やすと言われ家で飲むのをやめたので、たまに外でコーヒーを飲むとびっくりするほどおいしく感じるのだ。

 

ほかほかになって部屋に戻り、化粧を直してジランドールというレストランへ。

ニューヨークグリルは有名でもちろん素晴らしいけど、ジランドールは落ち着いていて私はとっても好き。王子は軽めのコースを頼んでいたが、私はアラカルトでエビだのホタテだの肉だの好きなものをいっぱい頼んで食べた。おいしくて泣ける。死ぬほどおなかいっぱいになった。

 

アレンジメントの花がひとつと、何通かおめでとうメールがきていた。朝食のパンを持って帰ってきたので、夕飯はそれで済ます。心静かな誕生日。

 

生協の荷物が大量にきた。そのわりには肝心な物が足りなかったりして、またもや西友に注文。おでんを大量に煮る。

 

月に一度のタッキーの診察日。バタバタと出かけたのでお昼を食べる時間がなく、病院のそばでささっと抹茶シフォンを食べる。

 

帰ってまたおでんを食べるのかと思うとうんざりし、しかもまた甘い物が食べたくなって、青山のサンマルクカフェにてケーキとチョココルネを夕飯がわりに食べる。レアチーズケーキがしみじみおいしかった。それにしても甘い物食べすぎだ。

 

とてもよく寝た。王子は土曜だというのに仕事。私も家で仕事。私も家で仕事。料理するのが面倒でポストにちらしが入っていた新しいデリバリーの店からパスタをとる。うっかりケーキもとる。まだ食べるか、甘いもの。

 

原稿を書いていると怠け者の私でも集中するので、気が付くとおなかがペコペコにすいている。夜の7時過ぎに王子から仕事が終わったと電話があったので、すぐ食べられるもの買ってきてと頼んだ。

オリジン弁当のちらし寿司、鶏の竜田揚げ、おから、かぼちゃと林檎のサラダ。ステキ。

 

久々に外出したので、つい嬉しくてエクセルシオールカフェにてパスタを食べ、コンビニを3軒はしごして(主に立ち読み)帰ってきた。

 

祝日。王子は疲れていて、いきなり「朝ご飯作って」と言った。直球で頼むのは珍しいので、はりきって作った。

疲れているのに、しかも勤労感謝の日なのに王子は仕事に行ったので、夜は牡蠣鍋を用意した。喜んでもらえた。

 

カフェ好きのマシマロと雑誌で見た新宿御苑沿いのカフェへ。店はかなり小さなかったが飲み物はとてもおいしかった。ナイトリラックスという名のハーブティーを飲んだら、そこに布団を敷いてもらいたいほど眠くなったので急いで帰った。

 

朝6時前にぱっちり目が覚めた。朝焼けがきれいでベランダに出て写真を撮る。王子が作ってくれた白菜のミルクスープ(得意技)を食べて午前中ぐっすり寝た。

 

関係ないが、今や私が焼き肉屋に入るのは親に誘われたときだけになってしまった。しかも今日はあんまり肉食べたいという気分じゃなかったので、石焼ビビンバにしたし。父ミッチーは食後にアイスクリームを食べていて、歳をとってあちこち調子は悪そうだけど食欲は落ちていないようでそこは安心。

 

本当に痛そうなのに、立っている方が楽だといって、すき焼き風の鍋を作ってくれた。食後、鎮痛剤を飲ませて寝かしつける。

 

私の方が迷惑をかけることが多いので、してあげられることがあって嬉しい。がっちりコルセットをはめて帰ってきた王子が、おなかが空いたというのでうどんを作ってあげた。今夜はおでんを煮てあげよう。

この日記では最初から最後まで「王子にしてもらったこと」ばかりが書いてある気がする。

でも結局、王子がシーフードカレーを作ってくれて、それをおいしく食べたのでした。

山本文緒『再婚生活 私のうつ闘病日記』より

京都チーズポテト 佐藤優『同志社大学神学部』

バイブルスタディをしているので、「神学生」がどんな学びをし、どのような生活を送っているのか非常に興味がある。

ましてや日本の大学であれば希有。

さらに同志社は10年前しょっちゅう仕事で訪れ、散歩を楽しんだ地である。

とても楽しく読んだ。

大山君はジャズが好きだったので、平安神宮の裏手、丸太町通りにある「ZAC-BARAN」というジャズ居酒屋にもよく行った。ここでは、日本酒の剣菱にライムジュースを加えて、氷を入れた「酒ライム」がおいしく、4人で1升瓶を2本くらい空けることもよくあった。この店は、食べ物がおいしい。特に梅干しのたたき(梅肉と削り節を合わせて、軽く醤油をかける)とチーズポテト(小さなフライパンに、ゆでたじゃがいものスライス、クリーム、にんにくを入れ、チーズを山のようにかけてオーブンで焼く)がわたしのお気に入りメニューだった。

「うちは学割にならないよ。きっちり商売させてもらいます」と言いながら、「ボトル・キープの期限が切れたウオトカがあるけど、飲むかい」などと言って、ずいぶんただ酒を飲ませてもらった。それから、つまみでとるアラレやペリメニ(シベリア風水餃子)も超大盛りだった記憶がある。

佐藤優『同志社大学神学部』より