たべもののある風景

本の中で食事するひとびとのメモ帳2代目

Entries from 2023-07-01 to 1 month

『ピンクのチョコレート』というか焼肉と昼間のビールの醍醐味

私にとっても、これまでに美味しかったビールシーン、ベスト1は昼間、業務時間中だ。某優勝パレードのアテンドの後、西大阪の蕎麦屋で飲んだ小さな100円ビール。水を飲んだり、カレーを食べたりしただけでチクられる公務員や公共事業従事者をほんっとうに気…

殿下の見送りと朝井リョウ『何様』

まだ少年の今上天皇が初めてひとりで外国に出発する。飛行機のタラップをのぼりきったところで振り返る。片手を上げる。すると、下から彼を見守っていた圧倒的に男性ばかりの一団が一斉に手を上げて振り返す。 この瞬間をとらえた映像にザーッと涙が出る理由…

「敬虔な」家庭でも起こる摂食障害 Becoming Free Indeed

世のメディアから遮断され、学校にも通ってないのに(母親とIBLP教材によるホームスクーリング)摂食障害になるのはちょっと意味がわからない。IBLPの環境も世間と同じ程度には有害なんだろうと推測するしかない。 It helped me to know that I could eat su…

ワインは水 中野京子『ヴァレンヌ逃亡』

氏の著書を初めて手にした。折々に人物や習俗のこぼれ話を交えた躍動感あるストーリーテリングで面白かった。ベルばらも、私はオスカル亡き後のパートのほうが好きだったんだよな。池田理代子氏が、オスカルの死後は数週間で最終回にするように出版社から言…

本物について 朝井リョウ『スター』

私が常々考えている「本物」「時の流れに耐える創作物」の条件についての一考察で面白かった。南沢奈央氏の解説がとてもよかった。 スター 作者:朝井 リョウ 朝日新聞出版 Amazon 「2人とも、もう昼飯食うたね?」食料庫に酒を収めていると、桑原がそう訊い…

小劇場の置きチラ 朝井リョウ『何者』

SNSをやっていないサワ先輩みたいな人間のひとりにとっても「わかる」ポイントの多い話だった。一緒に過ごしていた友達が気づかないうちにほぼリアルタイムで加工まで施した写真を投稿していて、後で「いつの間に!」とビビる、というのは私も経験ある。 自…

10年ぶりの三浦綾子『この土の器をも 道ありき 第2部 結婚編』

10年ぶりに読み返した本書、具体的な信仰の手本、奇跡の証としてとても良かったのでnoteにメモした。青春編も4年前に読み返している。 この土の器をも―道ありき第二部 結婚編 (新潮文庫) 作者:綾子, 三浦 新潮社 Amazon 「何かうまいものはないかなあ」見つ…

朝井リョウ『正欲』

新し目(というのも変だが)の小説に出てくる若い登場人物の名前は漢字変換しづらいことが多い。候補に出てくるのを探すより、漢字を組み合わせたほうが早かったり。それがリアルということなんであろうな。私の同級生の名前を思い起こすと、ほとんどが候補…