たべもののある風景

本の中で食事するひとびとのメモ帳2代目

「わたくし」の『トリオリズム』

なんだかすごいエンタテインメントを読んだ。
コミケ参加時の立ち回りを見てすっかり好感を持った叶姉妹。
さすが、She knows what she's doing.

旅先で最初にしなければならないのは、レモングラスやハイビスカス、ローズヒップなどのハーブティーを飲みながらジェットラグに疲れた体を十分に休めること。

そしてサーヴァントには任せず、自分自身であたたかいジンジャーレモンのハーブティーを入れてくれました。

この時、メンズがみるみる痩せていきました。そのリアルさに直面したわたくしは、ただ驚きました。
性欲と食欲は密接に連動しているそうで、人の体というものは、性欲が満たされていると、食欲を失うメカニズムになっています。行為の合間にはオレンジのようなフルーツを食べたり(キウイはよくない)、スイーツを食べたり、ラムチョップを食べたり(ラムチョップは男性の働きを早く活性化するのにとてもよいものなのです)しているのですが、彼はそんなふうになりました。

水の都、ヴェネツィアのあるホテル。サン・マルコ広場が一望できる広いバルコニーのあるプレジデンシャル・スイート。昼過ぎに目覚めると、遅めのブランチをメインダイニングにオーダーするようバトラーに頼みます。しばらくするとバトラーたちが粛粛と料理を並べ始めます。わたくしの大好きなシカの赤ワイン煮、白トリュフのリゾット......。オーディオからはマーラーの交響曲第5番が流れ、アンニュイなムードを引き立てます。
(中略)
きれいに切ったシカの肉をジョニーがわたくしの口元に運んでくれます。その時にも、クリストファーとは足を絡ませて大人の会話をしています。

叶恭子著『トリオリズム』より