たべもののある風景

本の中で食事するひとびとのメモ帳2代目

戦時中の贅沢 小林照子著『これはしない、あれはする』

戦時中、集団疎開を前にはからずもみんなでかわいがっていた学校のアヒルを食べさせられた、という話も出てくるが、チキンな私は引用できない。

WFPがノーベル平和賞を受賞し、その食糧供給量よりも日本のフードロスのほうが多い、という事実が話題になっている。

「いただきます」を忘れずに...。

山形での暮らしは質素なものでした。その後養母は骨盤カリエスで寝たきり。養父はつきっきりで養母の看病をしていたので、私は学校から帰ると、近所の農家に農作業の手伝いに出ていました。お米やイモ、味噌、野菜は分けてもらい、ワラビやゼンマイ、たき木用の木などは山に入って採りました。毎回の食事はごはんとお味噌汁とお漬物。けれど、それでも十分幸せだったと思います。

ごはんとお味噌汁を食べたら、ごはん茶碗にお湯をそそぎ、お漬物でごはん茶碗も汁椀もきえりにして、最後にお漬物を食べてお湯を飲みほすのです。そして食器を棚に戻して、食事はおしまい。食器を洗うために水を余分に使うということがない、非常に合理的な暮らしでした。

小林照子著『これはしない、あれはする』