たべもののある風景

本の中で食事するひとびとのメモ帳2代目

Entries from 2020-01-01 to 1 year

日本の富裕層の食事 母のカレーから白子まで『愉楽にて』

本書の京都パートを読んで、茶道がちょっとイヤになった。金かけてなんぼなのは分かってるし、こういう人たちがいないと文化が守られないのも確かなのだが。 2人の前にはやがて、細く切った野菜と海鮮の皿が出てくる。高く盛られたこれは魚生(ユーシェン)…

ソバ粉のコロッケ、新大久保やみちの駅 林真理子『綺麗な生活』

そこにそら豆のリゾットが運ばれてきた。薄茶色の中に、ところどころ緑が顔をのぞかせているのが、いかにもおいしそうだ。「やぁ、これってお袋の得意料理だ」「へぇー、お母さまの。すごいじゃない。うちでこんな凝ったものをつくるなんて」「親父がイタリ…

東京のホテル飯をばっかり食べする若き日のホイットニー・ヒューストン

The first summer, I think Nippy spent almost all of her time in the pool. Between that, the pool table in the basement, and John grilling burgers and hot dogs in the backyard, we always had a bunch of kids hanging around. They'd come over …

遠きにありて、みんなで食べるハワイアン『アロハ魂』

すでに会食の場面がなつかしいなあ...。こんなにみっちり座って一緒に食事できたのだ。今年の初めまで。次にハワイに旅行に行けるのはいつのことになるのだろう。 せめて、今週はOno Hawaiianにチキン+ご飯+マカロニサラダ(申し訳程度のレタス付き)のラン…

家で食べるたのしみ(スナックから一流フレンチまで)『騎士団長殺し』

騎士団長を殺してからの4次元の旅は退屈で斜め読みしてしまったのだが、最後のページが聖書的で感動した。 でも私が免色のようになることはない。彼は、秋川まりえが自分の子供であるかもしれない、あるいはそうではないかもしれない、という可能性のバラン…

6畳エコライフ『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』

6畳の2人暮らし、家で仕事をするのでなければエコでいい。考えてみれば、私も東京暮らしのときは、6畳1間に4人を泊めたりしていたものだ。 当然、ふとぅんは足りないので、阿佐ヶ谷姉妹同様、誰かはコタツ睡眠。でもコタツで寝ると、消耗するというか、ちゃ…

栄養士が見た70年代のニューヨーク『朝子ニューヨークへ翔ぶ』

夕方は待望の"紅花"レストランへ火鉢焼きを食べに行く。"紅花"は、全米どこでも有名で、私が後にワシントンD.C.やシカゴに行ったとき「"紅花"がよいとタクシーの運転手にまですすめられた。 鉄板焼きのえびには皆大喜びであったが、上質の牛肉の霜ふりには神…

戦時中の東京『天鵞絨物語』

ひと息ついて婦人用につくられたペパーミント色の甘い飲み物に手を伸ばす。これにはアルコールが入っていない。もちろん隣りのテーブルの男たちのためにつくられた酒を選ぶことも出来たのだが、これはなかなか勇気のいることだった。品子の家では、たまに娘…

『アンネ・フランクの記憶』をめぐる旅で

10年以上ぶりに再読した。私もアムステルダムでアンネの足跡をたどったが、食べる楽しみに欠ける街だった...。 終点の1つ手前で市電を降り、昼食をとった。繁盛していそうな店を探すが、どこも空いている。1軒、テラスがほぼ満席になっているピザの店があっ…