Matthew DesmondのEvictedの邦訳が出たと聞き、さすが採算度外視の日本語翻訳出版界!と感嘆・感謝するのと同時に、遅っ、と思わざるを得なかった。紹介されないよりはるかにいいし、決してこの本に書かれた貧困の状況が大きく変わったわけではないとはいえ…
初潮のあとの赤飯ムーブはほんとにきもいと思ってた。玉姫殿なき今、赤飯=めでたい、ごちそうというイメージは残っているのかな。そもそも炊ける、自宅で炊くなどということを思いつくご家庭も減ってそう。 お茶請けとして出されたのはセロファンで包まれた…
新潟のご飯屋さんの記述に、京都の八坂さんの前の通りを跨ぐほどの長蛇の列を思い出した。並んだわけではない。 あちらでは冠婚葬祭で食べるらしい「プラリネ」というケーキ、レーズンとバタークリームの渦巻きパン、ル・レクチェの羊羹、佐渡バター、父親が…
手作りお菓子は美味しいものしかいただいたことがない。自信がある人しかやらないからだ。ところでたまーに「手作りに抵抗がある」という人に実際に会うが、それって口に出して言っても何もいいことないのにね。 「そうね、なら、甘ったるいチョコレートでは…
「カロリー低い」味気ないレストランといえば、SATCの火を通さない食事のみを出すヒップなプレイスを思い出すな。サマンサとスミスが出会った場所な。 オーガニックの貴腐ワインは水のようにするすると入っていく。 「ほら、ここはカロリー低いから、いくら…
恵比寿ガーデンプレイス、911が起こった頃にあのへんに通っていた。形だけの警備が増えて情けなかったのを思い出す。 「だから、本物の男の人が女性本来のグラマラスな美を理解できるように、本物のフランス料理はちゃんとたっぷりバターを使うのよ。甘さ控…
こないだ日本で切り餅をたくさん買ってきた。もちろん、バター醤油で食べている。ただし、砂糖は家にないのでハチミツを使用。 さらに今年はサウスベイの人の心尽くしのおせちもいただくことができた。栗きんとんが入っていなかった。 飲み過ぎで足取りのお…
小菅の食事が結構美味しいらしい、というのは佐藤優氏の話からもうかがえた。確かに麦が混ざってるとも書いてあった。ヘルスィー。ちなみに私の小学校の給食も麦ご飯だったよ。何の問題もなかったよ。 「もうすぐクリスマス。1年で一番街が華やぐこの季節が…
「カジマナのたらこパスタ」作ってみたいけど、紫蘇がたっかいんだよな。日本の実家ではいやってほど庭に生えてるのに。たらこはHマートにあるかな。 パスタが茹で上がったようだ。スマホに設定しておいたアラームの音で、里佳はパソコンのデータ原稿から目…
いったんバターに変えると元には戻れない。子どもの頃から毎朝のようにマーガリンを食べていたし、母が料理に使うのはマーガリンだったし、給食に出るのもマーガリンだったが、ヨーロッパ人の義兄がマーガリンを食べない派だったのを機に、実家もバターしか…
おそらく10年以上ぶりに再読したのだが、なんてことのない内容を結構覚えていた。さくら先生が病気で亡くなった今読むと、重病にかかるかどうかは人による、という事実を改めて突きつけられる。 このエッセイにかかわらず、さくら先生の健康マニアネタにふれ…
日本だとフードトラックの営業許可はこんなに早く下りるのか。アルコールまで出しているのなんかこっちではまずありえん。 そういえば、大阪の西区は昼どきになると責任元不明のお弁当屋さんが大勢出没してたなー。折り畳みテーブル1個だけ出して売ってるの…
今年は出会えてよかったな、と思う日本の小説家が何人もいるのだが、柚木麻子もそのひとり。「ナイルパーチ」を読んだのは2018年だから、厳密に言うと再会。とりあえず、書き続けている人かどうかは精度の高いバロメーターだ。当然か。 SAMも、ダンサーとし…
10年前の小説だが、いわゆる日本の女性誌専属モデルという職業はほとんど虫の息ではないだろうか。私が日本にいたときも次々と雑誌が廃刊になっていたし、こないだ帰国したときビックリしたのは昔ファッション誌の表紙モデルだった人が母が頼んでいる生協さ…
20年近く前に一度読んだらしいのだが、途中から物語の顛末をこまごまと思い出しだ。冴木の最後の台詞まで覚えていた。こんなのほほんとした女性誌小説にも巻末に「差別的ととられかねない表現が...」のディスクレーマーがつけられているのはいくら人権更新国…
2年前に『汚れた手をそこで拭かない』を読んだらしいのだが、あらすじなどを読んでみてもまっっったく思い出せなくて恐ろしい。 「ばあば、いつも言ってるわよね? カメラが回っていない間も仕事なの。考えればわかることじゃない。パパ・チキンの人が相手な…
田中美津著『この星は、私の星じゃない』を呼んで、永田洋子氏のことを知りたくなり、たどり着いたもののひとつがこのアダプテーション小説だった。巻末の弁護士・大谷恭子氏の解説にもあるが、判決主文の「女性特有の執拗さ...」の破壊力が強すぎる。これは…
話し言葉もそうだけど、メールで「女ことば」の「〜わ」を使う奴いるか?昔の小説に突っ込むのも野暮か、と思ったら、これ2012年刊でエボラも出てくるのであった...。 ↓あと、医学部をFaculty of medicalとはまず言わん。どこかの英語圏の大学のサイトを参照…
日本ではハーゲの販売元がサントリーということで、不買運動陣に悲鳴が上がってましたな。常々、日本におけるハーゲのアドバトリアルは過剰だと思っていた(新しいフレーバーの開発秘話で情報番組の20分を使うとか)。バックにサントリーと聞けば納得がいく…
私は、いい大人の食習慣についてジャッジするのは最悪だと思っているが、この小説を読んで、飲料含めて全食コンビニの日本の知人の食生活に生理的といっていいほどの嫌悪感を抱いてしまったのを思い出した。「今朝はからあげくんと野菜1日これ1本だった」な…
そういえば私も一時期大学オケでバイオリンを弾いていたのだった。どこかのセミプロの人が指導に来てくれていたのも同じだ。今の日本で学芸員さんになれたのはすごいけど、生きていけない給与やん、と余計な心配もした。 気張って材料を用意するような料理で…
たぶん10年ぶりの再読。最後に女性が男性ゲイに夢中になるところだけ記憶していた。当時もいやそれナイから、と思ったんだろうな。『メゾン・ド・ヒミコ』をゲイ友人たちが口を揃えて「あれ絶対ナイから」と言っていた時期に読んだのかもしれない。 直木賞受…
今すごく食べたいもの。ミョウガの天ぷら。明石SAで売られている諸々。 どうしても生きてる (幻冬舎文庫) 作者:朝井リョウ 幻冬舎 Amazon 「うわ」フードメニュー越しに、母がまた声を漏らした。いつのまにか、テーブルにはビールの入ったグラスが2つ、置か…
光浦さんの留学話、もっと読みたい。聞きたい。 子供がいると、子供中心のメニューになってしまいます。カレーも子供に合わせて甘口です。そんな子供味に飽きた夫婦に、ヤムウンセン、タイの春雨サラダを作ってあげたらすごく喜んでました。「家で、辛いもの…
なんだかすごいエンタテインメントを読んだ。コミケ参加時の立ち回りを見てすっかり好感を持った叶姉妹。さすが、She knows what she's doing. 旅先で最初にしなければならないのは、レモングラスやハイビスカス、ローズヒップなどのハーブティーを飲みなが…
私にとっても、これまでに美味しかったビールシーン、ベスト1は昼間、業務時間中だ。某優勝パレードのアテンドの後、西大阪の蕎麦屋で飲んだ小さな100円ビール。水を飲んだり、カレーを食べたりしただけでチクられる公務員や公共事業従事者をほんっとうに気…
まだ少年の今上天皇が初めてひとりで外国に出発する。飛行機のタラップをのぼりきったところで振り返る。片手を上げる。すると、下から彼を見守っていた圧倒的に男性ばかりの一団が一斉に手を上げて振り返す。 この瞬間をとらえた映像にザーッと涙が出る理由…
世のメディアから遮断され、学校にも通ってないのに(母親とIBLP教材によるホームスクーリング)摂食障害になるのはちょっと意味がわからない。IBLPの環境も世間と同じ程度には有害なんだろうと推測するしかない。 It helped me to know that I could eat su…
氏の著書を初めて手にした。折々に人物や習俗のこぼれ話を交えた躍動感あるストーリーテリングで面白かった。ベルばらも、私はオスカル亡き後のパートのほうが好きだったんだよな。池田理代子氏が、オスカルの死後は数週間で最終回にするように出版社から言…
私が常々考えている「本物」「時の流れに耐える創作物」の条件についての一考察で面白かった。南沢奈央氏の解説がとてもよかった。 スター 作者:朝井 リョウ 朝日新聞出版 Amazon 「2人とも、もう昼飯食うたね?」食料庫に酒を収めていると、桑原がそう訊い…